すぐに未来予測ができるようになる62の法則

「確率思考の戦略論」で紹介されていたので、気になって読んでみた。未来予測のノウハウはよくわからなかったが、ユニークかつ面白い視点を吸収できた。

論点

未来予測の考え方とは?

事象のパターンを知ることができる

事象の変化の規則性が書いてあり、独自の視点で面白い。例えば、普及という現象に対して、イノベーター理論と類似しているパターンが面白かった。言葉の定義が全般的にしっかりしていない本だったので、独断と偏見で補っている。

  1. モード
  2. ファッション
  3. スタイル
  4. 礼服

モード

ファッションの普及を原型としたモデルのようだ。モードとは、先鋭的という意味で、イノベーター達が創造するモノ。イノベーターは、周りの評価よりもモノ・コトに集中している人たち。

昔で言うとフランスの貴族達。貴族が恋愛に夢中になり、その手段として贅沢をすることで文化が生まれた。大衆がそれに憧れると、需要が生まれて、工業化によって供給が追いついて市場が誕生した。

ファッション

ファッションとは流行。普及率7%前後を超えると、急激に普及スピードが加速するという定説がある。キャズム理論というやつだ。アーリーアダプターが流行をつくる。アーリーアダプターはマーケッターだ。アーリーアダプターは、モノ・コトそのものよりもフォロワー達からの支持を集めることに集中している。つまり、顧客を見て、イノベーターが創造したモノ・コトを選定する。

スタイル

スタイルとは、型だ。ジャンルやカテゴリのことで、ファッションで言うと○○系みたいなイメージでいいと思う。スタイルになると、それが流行っているかどうかという視点ではなく、たくさんある中の一つのジャンルとして見られる。フォロワー(大衆)が支持をしたらスタイルになる。フォロワーはアーリーアダプターに影響される。なぜなら、アーリーアダプターがフォロワー達を見て、モノ・コトを提案するから。「未来の当たり前をつくる」っていうのは、ここまでいくモノ・コトをつくるという意味なのだろう。

礼服

礼服とは、特定のオケージョンでしか使われないモノ・コト。礼服自体がそうだし、着物も日常的に着るモノではない。こういった礼服を日常的に用いる人は、ラガードである。ラガードは保守主義者だ。流行には目もくれず自分なりの価値観に従う。イノベーターと同じで、周りの人の評価や視線は気にならず、モノ・コトに集中する。

事例

ギャルファッションは、一時期流行し、やがてひとつのスタイルだった。その証拠に、いわゆるギャル系雑誌が乱立していた。それがいまやほぼ全て休刊や廃刊しており、今や礼服となってしまった。ギャル系ファッション愛好会の人たちが集まって着たり、イベントのドレスコードとして楽しむモノになっているのではないだろうか。

ネット通販はもはやスタイルだと思うが、グルーポン系のサービスはファッションで終わってしまったように感じる。ビジネスモデルの構造上、日常生活サイクルの中にトリガーを作りづらいなかで、おせち事件が「食の安全」を求める世の中の空気を読めておらずイメージ失墜につながり、かつ企業側の満足度が低くエンドユーザーにとっての選択肢の幅が不十分だったなど、色々仮説はたてられる。フォロワーは空気に従うので、スタイルまでいけなかったのはおせち事件が致命的だったというのが私の見解。とはいえ、目をつけた企業側の「問題」は未だに解決されていないので、今後新しい解決策(事業)が生まれるポテンシャルはありそうだ。

スポーツならガバディはまだモードだろう。セパタクローもそうかな。フォロワーに受けそうな付加価値をつけて提案しないとアーリーアダプターは採用してくれないので、漫画にしてみたりするんだろうな。

普及を実現させたい主体の目線だと、アーリーアダプターはコト・モノの発掘に意欲的だから魅力を伝える好機はわずかにあって、フォロワーは全く聞く耳を持たないか、全く理解されないという感じだろう。アーリーアダプターに伝わると、「ああ、つまり○○ってことですね」と○○が全然わからないのだが、アーリーアダプターが○○って言うとフォロワーは動くというやつ。アーリーアダプターは世の中の空気を読む力に長けているのだろう。

社会との調和

社会とは、政治、経済、環境、人々などで構成される。それらのどれかと調和ができていないビジネスは普及しないようだ。例えば、グルーポンの例は当てはまるだろう。あまり具体例を用いて説明できるほど理解できていないが、生活に溶け込む必要性は理解できた。日本の家電がコンパクトなのは家が狭いからだと。確かに便利でも環境破壊につながったり、誰か(労働者など)が苦しむようなものは廃れる印象。ブラック企業も社会に調和していないから、今後廃れるんだろうとかいう予測ができるのかな。

五感で整理する

理性(大脳新皮質の働き)とは、五感と言語情報をもとに判断を下す役割らしい。このように書くと、ヒトそのものに思える。判断に理性と感覚をどの程度用いるかは個人差が大きいように感じるが、感覚は意思決定に大きな影響を与えていることは自明だ。五感の何を刺激する商品なのかという視点を与えてくれた。

  1. 触覚
  2. 味覚
  3. 嗅覚
  4. 聴覚
  5. 視覚

順番は、感覚の判断に与える影響の強さの降順・刺激の供給量の昇順(少ない順)・知覚距離の昇順(近い順)のようだ。視覚と聴覚はデジタルデータにできるため、特にインターネット上で供給量が増えがちだ。リアルでビジネスを展開するなら、触覚・味覚・嗅覚を刺激することに力を入れるべきだと思った。アイドルの握手会は、嗅覚と触覚が刺激されるからプレファレンス(相対的好意度)が格段に上がるのではないだろうか。ゲームのバイブレーション機能は触覚を刺激するので実は重要なのかもしれない。

カバンの閉める音や車のドアの閉める音までこだわっているという逸話は衝撃を受けた。機能は理性に訴える要素で、デザインは視覚、ドアの閉める音やエンジン音は聴覚だ。差別化や付加価値を考える際に、デザインにこだわるというのは最近良く言われているが、聴覚にこだわるというのはあまり聞かないので、拠り所としてアイデアをだしてみると面白そうだ。

デジタルなサービスがリアルイベントを企画する際にも、嗅覚・味覚・触覚を刺激できる要素を盛り込むことを検討してみると面白そうだ。

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